Code:Realize 感想

三度の飯より乙女ゲームが好きだった私があんスタによってソシャカスに成り果てた。不幸にも瀬名泉に魅せられてしまい、次に彼がイベントに登場した際満足に殴りあえるように…と日々スマホをポチポチし、ゲーム性など皆無なあのゲームに日々を費やす中ふと思った。
瀬名泉、こなくね?(数ヶ月目)
プレイし始めて早数ヶ月、瀬名泉くるくる詐欺に疲れてしまった私は再び乙女ゲームの世界に身を投じるのであった。その記念すべき(?)復帰作に選んだのはこのゲーム。

Code:Realize 〜創世の姫君〜

発売当初から気になっていたものの、同時期発売され何かと比較されてきた戦場の円舞曲の方をプレイし、立派なニケ信者になってしまったため手が伸びることがなかったコドリア。Twitterのフォロワーさんのおすすめで、今更ながらスチームパンクの世界へと身を投じることになったのであった…。

以下雑い感想(ネタバレ含みます)

何かと物語の題材になりやすい19世紀ロンドン。なのにそういった題材に滅多に触れることがなかった私は、登場人物の中でもサンジェルマン伯爵、ルパン、ヴィクターフランケンシュタインくらいしかピンとくる人物がいなかった。フランケンシュタインに関しては死者蘇生のえげつないイメージしかなかったので「このメガネ……虫も殺せねぇような面してあれやこれややってんのか……」とか思ってました。無駄に構えてた。まあそれは杞憂に終わるんですけどね。サンジェルマン伯爵は有名ですよね。登場したときは「あ〜〜これは何百年も生きてきた顔してるわ〜〜〜〜貫禄が違うわ〜〜〜〜」とか馬鹿みたいな感想しか抱けなかった。何百年どころじゃなかったらしい。白髪銀髪キャラは大好物なんですが、敬語キャラ糸目キャラはそこまで好みじゃなかったので最終的にどうなるかな、と。楽しみでしたね。

ヒロインのカルディアちゃん。怪物怪物言われててあんな可愛い子が出てきたらびっくりするわな。綺麗な花には棘があるどころか毒まであった的な。冒頭、ぬいぐるみだらけの部屋で膝を抱えたカルディアが登場したとき時が止まったよね。うわ・・・・・めっちゃかわいい・・・・・。 目が覚めてからお父様の言いつけで2年間屋敷に閉じこもっていた彼女はあまり感情というものを知りません。そんな彼女が外の世界に触れ、攻略キャラ達と共に行動していくことによって様々な表情を見せていく様はとても良かった。終始画面左下に夢中だったことは秘密だ。攻略キャラ達によって体術、逃亡術、操縦術、薬の扱い方などに慣れさせられていくのですが、それをどんどん活かして敵に立ち向かうカルディア。意外と好戦的だし手際いいよね。仲間の役に立ちたい!って謳うだけじゃなく実際に行動に移して戦果を上げる彼女には大変好感が持てました。男女問わず露出過多な衣装に少し抵抗があるのですが、彼女の衣装は彼女のその性質から露出が少ない。それがまた良し。フランちゃん良くやったね。

収拾がつかないのでプレイ順に個別感想

フランちゃん!君に決めた!最初の攻略はフランちゃんです。理由はとにかく君の過去が気になってしょうがなかったから。こいつは私が知っている死者蘇生を行なってしまったフランケンシュタイン博士なのか。あの有名な怪物 ”フランケンシュタイン” を造ってしまったフランケンシュタイン博士なのか。だとしたらカルディアのお父様はフランなのだろうか。そんな疑問を解消してしまいたかった。共通ルートだけ見ているとそんなこと地がひっくり返っても出来なさそうな優男なのですが、昨今の乙女ゲームというものは個別ルートに入った途端手の平くるりんぱされることなどザラにあるので警戒していた。こいつももしかしたらそういう類…?そんな疑念が尽きないまま突き進んだ個別ルート。
賢いって、得なんだなぁ
それをひたすら実感した個別ルートでした。懸念していたことはすべて杞憂だったらしい。カルディアの毒を解決したのはルパンを除くと彼だけでした。いや〜頭が良いってのは本当に素晴らしいことなんだね。ヴァンはその拳銃を下ろして落ち着いて。
自身が生み出したジクテリウムが戦争に利用されてしまったが為にたくさんの人が死んでしまった。もう二度とあんなことが起こらないように、ロンドンのどこかに隠されたジクテリウムを回収することがフランの目的です。それに並行して、ジクテリウムの上位互換であるホロロギウムによって毒を撒き散らす怪物となったカルディアの毒を取り除くことがこのルートの主軸となっていきます。フランはどこまでも贖罪の人だった。フランがいなければ私はいなかったと言ったカルディアちゃんに泣きそうになりました。その言葉でフランは救われただろうね。奥手そうに見えてそうでもなかったヴィクター・フランケンシュタインに乾杯。願わくはその知恵、他キャラの個別ルートでも活かしてやれよ。

エイブラハム・ヴァン・ヘルシング
お次はこの方。戦闘ならお任せあれなエイブラハム・ヴァン・ヘルシング。名前かっこよすぎじゃない?ハリーポッターの切迫した場面で杖振りかざしながらこの名前呼んでも魔法の呪文にしか聞こえないよね。「エイブラハム・ヴァン・ヘルシング!!!」雷とか落とせそう。それくらい名前がかっこいい彼ですが(伝わらない)、中身もまたかっこいいんですね。簡単に言えば安売りしないツンデレと言いますか。俺は俺の目的のために(以下略)とか言ってたけど、結局最後まで付き合ってくれる彼はやっぱり優しい人だった。緊迫した場面でこの人が現れるともう大丈夫だ〜感がすごい。あとは何とかしてくれるだろう感がすごい。肉体的に強い男はいいね。それくらい頼れる男、エイブラハム・ヴァン・ヘルシング。彼に待ち受ける結末は、乙女ゲーム史を覆すような結果となって現れた。
あれ……最後まで……接触出来てない……?
人によって異なりますが、乙女ゲームの醍醐味のひとつと言えば男女の心が通じ合った先に見ることが出来る肉体的接触。それらは美麗なスチルで再現され、我々に多大なる萌えを与えてくれる。与えて、くれる。与えて………いや、もう何も言うまい。そんなことはどうだっていいのだ。問題はそこじゃない、気持ちだろ?ハートだよ。人を寄せ付けないヴァンを必死に追いかけるカルディア。お前を傷つけたくないんだ、とそれを必死に振り払おうとするエイブラハム・ヴァン・ヘルシング。一度大切なものを失ってしまったヴァンには、必死に己の心を扉をこじ開けてくるカルディアが恐ろしかっただろう。大切なものが出来てしまうのは恐ろしかっただろう。そんなヴァンを知ってもなお諦めないカルディアに感服。凝り固まったヴァンの心を優しく溶かした。これは彼女の勝ち。
エンディング後のだれおま感すごかったですが箍が外れたエイブラハム・ヴァン・ヘルシングはああいう奴だったんだな。どうでもいいですが低音諏訪部というと某赤い外套の弓兵がちらつくので振り払うのが大変でした。アレスターもさ〜〜力也さんじゃん?いや切嗣〜〜!切嗣なにしてんの切嗣〜〜!ってFate脳な私が暴れてた。アレスターさんはもうちょい若い時期のまだ荒んで2年目ですくらいの頃を攻略して矯正したいです。ああいうキャラ嫌いじゃない。

インピー・バービケーン
3番目はこの方。いつか月に行くという男、インピー。彼の個別ルートは一言で言うと「少年よ、大志を抱け」を地でいくシナリオ。個人的にはとても好きでした。シリアスになりがちな展開で、彼の明るさは本当に貴重だった。コードリアライズというゲームはこの男に支えられていたと言っても過言ではないと思う。間違いなく一番の功労者。本人はそんなこと露ほども思ってないけどね。個別ルートに入って少ししたところで彼が吸血鬼だということが語られるじゃないですか?私本当に馬鹿なので1ミリも気づいてなかったんですね。なので普通に声出たよね。えっ?って。確かに異常な耐久力あったわ。牙あったわ。あれはインピーというキャラだから…と勝手に解釈していたが、しっかりした伏線だったんだね。いやはや天晴れ天晴れ。初っ端からカルディアへの愛のベクトルが強過ぎる彼ですが、カルディアの存在を希望の塊と言い放ったところに不覚にもやられた。めっちゃいい男。インピーについて行ったらあったか家庭を築けそうだよね。
そして彼の過去。フラン、ヴァン二人の重めな過去はふんふんと流せたのにインピーの過去は涙腺がやられた。ああいうのに専ら弱い。目をキラキラさせた少年がキラキラした夢を語る姿に弱い。大砲クラブの老人さんの遺書もカーーッ!っとなりましたね。いつか月で会おうな。
一瞬毒が弱まって触れ合うことができた二人ですが、一度手を出したものにまた手出しできなくなる方がしんどいんじゃないかと思いながらもヴァンよりはマシか…で解決。ここで引き合いに出される男、エイブラハム・ヴァン・ヘルシングは本当に美味しい立ち位置にいるな。
Twitterで「インピールートはうるさそうだな〜」とツイートしたところ、フォロワーさんからすかさず「ネモの方がうるさいから大丈夫だよ」と言われ、何だようるさいやつが二人もいんのか…って進めてたらネモのうるささが尋常じゃなくてインピーなんてうるさい枠にも入らなかった。

サン・ジェルマン
きましたきましたサンジェルマン伯爵。前述した通りとても楽しみでした。他キャラのルートではいつも「屋敷あげるわ」って言ってフランスへ帰国しちゃうサン。さてどうなるかと思えば、何かいきなり監禁されて殺されそうになった。これまでずっと人とは一線おいて接していたサン。正直興奮した。こういう、個別に入った途端手の平返す男に弱い。腹に一物抱えている男に弱い。フランが開発した対毒薬?液?を屋敷中に塗りたくるサンを想像してふふってなった。結果、個別に入った途端私はサンにあっさり心を奪われていた。なんていうの、糸目の人が開眼するのって本当にずるいじゃないですか。お前目開けたんだ、みたいな。ほら、もう無条件にかっこいいじゃん。正直カルディアとサンがどこでお互いに惹かれあったのかさっっっぱり分かんないし何千年も生きてきたサンの心を掴むものがカルディアにあったのかと言われると首を捻るがそういうのなんかもういいかなって、思わせるものがあったんだよ。彼の個別シナリオには。
町歩いてたら突然誰もいなくなって車椅子に乗った老婆が出てきたときは正直怖すぎてヒッ!って言った。イデアの使徒の一人、甲冑の人がギネヴィアと知った時もヒッ!って言った。ここで私のテンションはマックスだった。
さて、ヘルシング氏がよく引き合いに出されるカルディアとの触れ合いの件ですが、サンは持ち前の特性を活かしての強行突破だった。おう、確かに貴方にしか出来ないな。けど痛いものは痛いんでしょう…?愛が成せる業だった。サンルートの見所は、何と言ってもあの飄々として人と一線おいていたあの男が必死の形相でなりふり構わず土下座するシーンだと思うんですよ。ある意味一番 ”人” から離れた存在である彼が、誰よりも人間臭かった。全てはそこにあった。正直カルディアとの未来が全く想像できなかった四面楚歌なシナリオでしたが私はとても好きでしたね。どうでもいいけど黒死病を蔓延させてしまった時代のサンのあのスチル、剣が君の黒羽実彰かと思いました。
あと一つ言いたいこととしては、生前のサンはどんな暮らしをしていたのかということや、何故死んでしまったのかというのとが言及されていればな、と。ギネヴィアの容姿から見て、死んだ当時の容姿をそのまま引き継いでいるようなのでサンも若くして亡くなったようだしそこんとこ気になったよね。FDでシクヨロ。

アルセーヌ・ルパン
ガッチガチに攻略制限がかかった彼。メインヒーローでここまで攻略制限かけられているのはLGSの玉鼎以来だ。奴は酷かった(褒めている)。
さてルパン。フォロワーさんが皆彼にハートを盗まれていく様は見ていた。人気投票1位なのも知っていた。ルパン以外のキャラの攻略を終え、ルパンルートが解放された時、正直私は怖かった。私もハートを盗まれてしまうのだろうか。この華麗なる泥棒紳士によって。結果。
ちょっと、ちょっと待ってごめん、馬鹿だから何起こってるかわかんない、あのさ、とりあえずロンドン落ち着いて。
ハートを盗まれる以前に泥棒紳士のスピードについていけなかった。他四人のルートで起こった出来事が詰め込まれている。私の小さいツルツルな脳味噌は既にキャパを超えていた。ルパンがかっこいいこと言ってるのは分かるけど、出来事を整理しているこちらはそれどころじゃなかった。ロンドン全土大丈夫?世紀末か?ってくらい世の終焉だった。何が……起きているんだ……????
壮大過ぎるコードリアライズ計画。やはり天才の考えることはわからない。ところで何故この世界の村人はどこにいってもあんなにクズいのだろうか。民度の低さが伺える。アイザックには同情するがお前はちとやり過ぎた……。何しようとしてんのか正直あんまり把握できなかったけどやり過ぎたことだけはわかる……。ルパンとカルディアは気づいた時には相思相愛になっていた。馬鹿でごめん、本当に何もついていけてなかった。絶賛していたフォロワー様各位に向ける顔がないのでちゃんと整理した上で再プレイすべきなのかもしれない。
ルパンルートで一番燃えたシーンはショルメとアレスターのあれやこれやです。


ボリューム多めかと思いきや案外サクサクプレイできたコードリアライズ。一つの作品としての完成度が高くとても楽しめました。ありがとう。そして最後に一言。

ホムンクルスは創造主をお父様と呼ばなきゃいけない決まりでもあるのか?

以上です。